これからもさらなる成長が見込めるIT業界。IT業界に関わる職業の中のひとつであるプログラマーは、本業としてはもちろん副業としても人気です。
しかし、なろうと思い立ったらすぐにプログラマーとして働けるわけではありません。プログラマーになるには、しっかりプログラミングについて勉強してスキルや経験を身につける必要があります。
プログラマーを目指すかどうか悩んでいる方が一番気になっているのは、プログラマーとして働いた場合どれくらいの年収を得られるかという点ではないでしょうか?今回は、プログラマーの平均的な年収や、年収に差が出るポイントについてご紹介します。
- いろんな形態のプログラマーの年収が知りたい
- 年収の高い低いが何で決まるか知りたい
- プログラマーが未経験でも年収アップしやすい理由を知りたい
プログラマーの平均年収
プログラマーとして働くスタイルにはいくつかのバリエーションがあります。たとえば、会社員として働くプログラマーや、フリーランスのプログラマー、アルバイトや副業として行うプログラミングなどです。
プログラマーという職業は働き方によって収入の額は変わるため、すべてまとめて平均年収を計算するのは少し乱暴な方法といえます。そこで今回はプログラマーとしての働き方をフリーランス・会社員・アルバイトの3種類に分け、それぞれのスタイルにおける平均的な年収をご紹介していきます。
フリーランスの場合
フリーランスのプログラマーとして働く場合、平均的な年収がいくらか、具体的な金額を提示するのは難しいことです。なぜなら、フリーランスのプログラマーの年収は、個人の実績によって大きく左右されるからです。
たとえば、もともと未経験だった初心者がプログラミングを勉強してスキルを身につけプログラマーとして働きはじめた場合、100万円程度の年収しか得られない可能性も十分あります。その一方で、たしかな実績と経験を持ち、業界で高く評価されているフリーランスのプログラマーであれば年収が数千万円になることも。
年収の振り幅が大きくなりがちなフリーランスのプログラマーですが、高い年収を得られるようになるためにはプログラマーとしての実績、経験が必要であることは間違いありません。
プログラマーとしての実績とは具体的にどんなことを指すかというと、大手企業に勤めていた経験、プロジェクトに参加していた経験からマーケティングやコンサルティング能力などプログラミング以外のスキルも身につけていることなどが挙げられます。
フリーランスでの案件受注の場となるエージェントでは、組織の中での開発経験(職務経歴)が必須であると考えられており、経歴がない場合でも個人開発によって、収益を得られるようなシステム開発ができていたり、ユーザーを集めることができるものが作られているかということが注目されています。
会社員の場合
企業にプログラマーとして採用され正社員で働く場合、平均年収は450万円ほどです。この金額を高いと感じるか、逆に低いと感じるかは人それぞれですが、日本人全体の平均年収と比較すると若干高い水準といえます。
ただ、働くエリアによって収入に差が生じる点にも注目する必要があります。傾向としては、関西エリアや東海エリア、そして関東エリアの順で高い年収を得られることがわかっています。関西の企業に就職することを前提とすれば、理想的な年収を目指しやすいかもしれません。
収入面だけに注目すると、開発環境が充実していないなどの不便さがあったり、開発者の存在価値への理解が低いなど、地方はかなり不利になります。求人数が少ないことで競争率が自然と高まっていきます。
アルバイトの場合
アルバイトやパートスタッフとして働く場合、時給制で報酬を計算することになるため、ここでは年収ではなく時給の金額をご紹介します。プログラマーのアルバイトやパートの平均時給は、およそ1,100円です。
アルバイトプログラマーの求人は、関西、東海、そして関東と、3つのエリアに集中しているという特徴があります。それ以外の地域で働くことを考えているプログラマーには、アルバイト・パートといったスタイルの働き方はあまり向いていないかもしれません。
アルバイトではなく派遣社員として働く場合には時給がより高くなります。派遣社員のプログラマーの平均時給は、2,000円ほどです。
人材の入れ替わりの多いアルバイトは収入面を気にするよりも、経験を得るための機会と捉えられることが多いように感じます。特にフリーランスとしての独立を考えたときには責任の軽い仕事でまずは経験を積むためにアルバイトとして働く人もいます。
アメリカの平均年収は1,000万円超え
これまでご紹介してきたのは日本国内でプログラマーとして働く場合の平均的な年収ですが、海外へ目を向けてみると、プログラマーの平均年収はさらに高くなる傾向があります。たとえばアメリカで働いているプログラマーであれば、年収が1,000万円を超えるケースもめずらしくないのです。
ではアメリカのプログラマーは日本人プログラマーより優れたスキルを持っているから稼げているのかというと、そういうわけでもありません。アメリカは全体的に日本よりも給与が高額になりやすいため、同じようなスキルを持つ同じ業種でも、収入に大きな差が生じているのです。
「自分は日本で働くのだから、アメリカの平均年収なんて関係ない」と感じている方も多いかもしれませんが、インターネットを利用したテレワークが普及している今、言語の壁さえ乗り越えられれば、日本にいながら海外企業の案件を受けることは十分可能です。
プログラミング言語を学べば活躍の場を海外へ広げていきやすくなり、大幅な収入アップも目指せます。もちろん平坦な道ではありませんが、それだけ将来性があり、自分のがんばり次第でどんどん成長していける職業であることはたしかです。
アメリカと日本とでは、プログラマーの捉えられ方が大きく異なっています。アメリカではプログラマーやエンジニアは日本でいうところの国家資格レベルの立ち位置にあるため、年収も高額になる傾向になります。それに対し、日本は技術や知識などの実力よりも経歴を重要視する傾向にあり、平均して他業種の年収との極端な差は見られません。
未経験から転職した場合の給料は平均302万円
働き方のスタイル別にプログラマーの平均的な年収についてご紹介しました。ここからは、未経験からプログラマーとして転職・就職して働きはじめたケースにおける平均的な給料について見ていきましょう。
未経験の状態からプログラミングについて勉強し、プログラマーとして転職もしくは就職した場合、働きはじめた年の給料は平均302万円という結果になっています。
先ほどご紹介した平均年収と比較すると相当低く感じてしまうかもしれませんが、一般的な新卒社会人の年収が240万円から270万円ほどであると考えると、未経験であっても比較的高い年収を得られるということがわかります。
ただ、これはある程度プログラミングスキルが身についている状態で転職・就職した場合の金額です。知識やスキルがないまま働きはじめた場合には、一般的な新卒社会人と同程度の年収となるケースがほとんどです。
学歴よりスキルが重要視される業界
スキルが重要視される分、学歴によって判断されるケースは少ないのもプログラマーという職業の特徴です。高卒・大卒に関係なく、プログラマーとしてたしかなスキルを持っていればその分だけ収入に反映されます。未経験であっても、プログラミングや業務におけるスキルをアピールできればはじめから高収入を得られるパターンもあるほどです。
プログラミングスキルの他、プロジェクトのマネジメントやマーケティング業務などに関する経験・スキルがあるとより良い待遇で採用してもらえる確率が高くなります。プログラミングスキルだけでなく、前職で得た経験や知識についてもしっかりアピールしながら転職活動を進めていきたいところです。
研究職などある程度の学歴が必須になるケースもありますが、プログラマーとして働くことを目指すのであれば、学歴のことは気にする必要はありません。それ以上にプログラミングスキルを磨くことに注力していきましょう。
クラウド技術、ブロックチェーン、AI開発、データ分析などの分野は、特に近年注目されています。このような専門スキルを身につけることは市場価値を高めることにつながるのでおすすめです。
同年代の平均年収よりは収入が低くなる可能性も
他の会社で働いた時期を経てから未経験のプログラマーとして転職した場合、同年代の社会人と比較すると、収入は若干下がってしまう傾向にあります。社会人経験はあってもプログラマーとしては新人のため、同じ会社・同じ業界で働き続けている同年代の方と比べれば、収入が下がってしまうのは当然といえば当然のことでしょう。
結局収入が下がってしまうならプログラマーとして転職するメリットはないように感じる方も多いかもしれません。ここでポイントとなるのが、プログラマーの「スキルアップによって給料を上げやすい」という特徴です。一度は他業種の同世代社会人よりも下がってしまった年収が、2年目に入る段階で100万円以上アップするケースもあるのです。
現代においては一つの企業でキャリアを終わらせるということは考えにくく、プログラマーとしての価値を高めることを考えるならば、収入面よりもまずは経験を積み上げることを優先させることで、将来的に有利な状況を作り出せるようになります。
スキルアップで高い収入を目指す3つのポイント
先ほどもご紹介しましたが、プログラマーに限らず、これまでの職種とは違う業界へ転職すると一度給与が下がってしまうこともあるでしょう。
しかし、プログラマーという職業においては、キャリアチェンジによって下がった収入を取り戻すことが比較的容易であるのは大きなメリットといえるでしょう。
プログラマーとしてのスキルを伸ばすことができれば、大幅な収入アップにつながるのです。より高い収入を目指すのであれば、ぜひ身につけていきたいスキルをいくつかご紹介します。
「バックエンドの開発に携わってきた」、「インフラ構築やテスト稼働開発に参加していた」などの具体的な経験を持つことが個人としての強みになり、その経験を次のキャリアへと活かせる方法を考えてみると良いでしょう。
構築範囲を広げていく
プログラミング言語にはたくさんの種類があります。はじめからすべての言語を習得するのは難しいですが、プログラマーとして働く上では、やはりできるだけ多くのプログラミング言語を操れる方が魅力的な人材であることは間違いありません。
スキルを身につけて収入アップを目指すのであれば、扱えるプログラミング言語を増やしていく必要があります。プログラミングに直接関係すること以外でも、たとえばデザイン技術などを身につけるのも有効です。
自分ひとりで対応できる業務の幅を広げていき、市場において需要の高い人材になることを目指しましょう。ポイントとしては、「需要の高いスキルを身につける」ことです。
今求められているスキルはどんなものか、市場の流行をチェックし理解しておくことで、本当に必要なスキルを選び身につけられるようになるはずです。収入アップを目的としてプログラミングスキルを学ぶのであれば、このポイントはしっかり押さえておきましょう。
転職活動の際には、ポートフォリオや資格など自身の実力を証明できるものが必要になるため、スキルアップしたらその成果を詰め込んだ作品をつくったり、資格を取得したりしておくことも大事です。
SEを目指す
プログラマーとしてのスキルだけではなく、システム全体の設計を担うSE(システムエンジニア)の業務にも対応できるようなスキルを身につけると収入アップにつながります。
マネジメントなど、他の業務に関するスキルを身につける
技術者であるプログラマーから、管理職を目指していくという形でキャリアアップしていく方法もあります。プログラミングの現場を知っている上でプロジェクト全体のマネージャーも任せられるとなれば、多くの企業にとって魅力的な人材であるはずです。
実際、システム開発プロジェクトの全体を管理・統括するマネージャーは、IT関係の職種の中でも収入が高い仕事のひとつです。プロジェクトチームの立ち上げからシステムの開発が完了するまでの進捗・予算の管理、人材や機材の確保等、さまざまな業務を行う大変な仕事ですが、その分やりがいがあり、収入にもしっかり反映されます。
管理職にはプログラミングスキルの他にもマネジメントなどの知識・スキルが必要になるため、早い段階から将来を見据えて業務にあたるようにしましょう。
また昨今はシステムエンジニアとプログラマー、どちらの業務もこなせるIT系Webエンジニアに注目が集まっています。
IT系Webエンジニアはクライアントが実現したいことのヒアリング能力や、それを具現化するシステム設計などを適切に行う力が重要視され、より高度なスキルが必要になりますが多くの現場で重宝されています。
副業的に始めた場合の平均年収は60万円だが…その後に
ここまでは、プログラマーとして企業に就職し働きはじめた場合の年収についてご紹介しました。プログラマーは副業としても人気の高い職業のため、本業としてキャリアチェンジするのではなく、現在のお仕事に加えて副業的にプログラマーとして働きたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
未経験から副業プログラマーとして働きはじめる場合、基本的には本業がお休みの日やちょっとした隙間時間を利用して業務にあたることになるでしょう。あまり多くの案件をこなせるわけではないため、案件を受けて報酬を得るスタイルの働き方であることも踏まえると、副業としての年収はそう多くはなりません。
特に未経験からスタートする場合は、単価の低い案件しか受けられないことがほとんどです。副業としてプログラミングをしている方を対象にしたアンケートによると、平均月収が5万円未満の方は全体の50%以上を占めています。
それより高い収入を得ているのは、実績や経験を積んだ上で、単価の高い案件を受けられるようになっている方です。月収が5万円程度とすると、一般的な副業プログラマーの年収は60万円前後になると考えられます。
ではなぜこんなに副業としてプログラミングを始める人が多いのでしょうか?
副業プログラマーの実績が後から大きなメリットとなる
プログラマーという職業の「稼げる」というメリットを最大限に活かすためには、副業として働くよりプログラマーとして就職するべきではないかと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに収入の額だけを見れば会社員として就職する方が当然上がりやすいでしょう。しかし、プログラマーとしての経験が乏しい未経験のうちは、転職を有利に進めることができないという点がネックです。
まずは副業プログラマーとして実績を積み、実用性のあるスキルを身につけてから転職活動を行えば、はじめから高待遇で雇用してもらえる可能性も見えてきます。
また、現在の本業で年収を数十万円アップさせるよりも、副業で稼ぐ方がはるかに楽であることも見逃せないメリットです。
てっとり早く収入を増やせること、今後の転職活動・キャリアチェンジに活かせる経験を得られること。
この2点のメリットを考えると、副業プログラマーとして働くことも魅力的な選択肢のひとつといえるでしょう。
本業として取り組む場合、副業として取り組む場合、安定や実績などを求める場合は本業、自由度やキャリア作りに役立てていくのであれば副業という感じで、双方のメリット・デメリットを考えてみると良いでしょう。
年収が高い人はどれくらい稼いでいるのか
ここまでは平均的な収入額について見てきましたが、特に高い収入を得ているプログラマーはいったいどのくらい稼いでいるのでしょうか。
プログラマーは、業務上重宝されるスキルがあればそれだけ給与が上がることはご説明した通りです。使えるプログラミング言語の多さや管理職適性の高さなどの条件を満たしていれば、年収1,000万円を超える収入を得ることも不可能ではありません。
特に大きな企業に勤めていれば、それだけ収入も上がりやすいでしょう。規模が大きいプロジェクトに参加したり、報酬制度がある企業に勤めていたりする必要はありますが、しっかり取り組めば年収を大きくアップさせることができます。
IT関連の技術は日々進歩しているため、それに対応した新しい知識や流行に対する嗅覚、そして難しいプログラミング言語を扱えるかどうか、この辺りのスキルや経験を活かせれば年収1,000万円も夢ではないでしょう。
プログラマーとしての価値とはなにかを考えたときに、果たして収入だけが判断基準とは言えません。収入はあくまでも一つの判断基準と捉え、自由な発想で自分の理想とするプログラマーを目指すことが最終的には社会貢献につながり、収入の上限を上げていくことになります。
プログラマーの年収の高い・低いは何で決まる?
プログラマーの収入の平均的な額、そして特に高い収入を得ている人の年収などを見てきました。同じプログラマーという職種でも収入に大きな違いが生じる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
スキルの有無
繰り返しになりますが、プログラマーとしてのスキルや経験の有無が、大きく収入を左右します。プログラマーとしての実力は、持っている資格や扱えるプログラミング言語で判断されます。
レベルの高い資格を多く取得していたり、さまざまなプログラミング言語に対応できたりといった強みがあれば、それだけ高いスキルを身につけていると認めてもらえるというわけです。専門性の高さも大事ですが、それ以上にオールマイティーな人材が高く評価される傾向があります。
日本特有の組織に合わせたスキル構築を考えるならば、開発スキルだけでなく、「コミュニケーション」や「時間管理術」、「発想力」といったソフトスキルにも注目してみましょう。
会社の大きさ
勤めている企業がどの程度の規模であるかという点も、プログラマーの収入に大きく影響します。たとえば大手企業であれば、ボーナスの金額も安定しているでしょう。
一方中小企業においては、どうしてもその年の業績によって収入増減の幅が大きくなります。また大手企業は取引しているクライアントが多く、プロジェクトの規模が大きいことも多いため、その点から見ても年収をアップさせやすいのです。
企業の規模の他、経営状態も重要なポイントです。黒字の経営が続いているか、事務所の数はどの程度かなどをチェックしてみると、企業の経営が安定しているかどうかの指標となるでしょう。
有名無名に関わらず、「良い会社」を見分けるのは専門家でも難しいと言われています。しかし、自分の価値基準を作り上げ、ブレない判断を下せるようにしておくことも大事なことです。
働き方のスタイル
先ほどご紹介した通り、プログラマーとしてどんなスタイルで働くかによっても年収は大きく変わります。一番高い収入を得られるのはやはり正社員です。
男性か女性か
残念ながら、現在の日本ではまだまだ男女の賃金格差が深刻です。プログラマーに限らず、結婚や出産に関連した離職リスクが少ないことから、男性の方がより収入が伸びやすい傾向があります。
「性別による収入の差」というのは働き方が特に影響しているようにも感じます。たとえ女性であったとしても、シングルマザーの人がプログラマーやエンジニアとして活躍できる場というのも増えています。そのようなことを考えると、むしろこれからの時代というのは、可能性は無限にあるのかもしれません。
現在の年齢
プログラマーは学歴よりもスキルが大事にされる実力主義の職業ではありますが、一方で収入に関しては年功序列の部分もあります。実績やスキルに加えて、年齢を重ねていくことで収入もアップしていくのです。もちろん、若い人でも実力が認められれば高い収入を得られることもあります。
これは採用の際にも影響のある要素でもあって、やはり若い人材の方が指導しやすいという、経営者の主観が含まれていたりもします。ですが、実際にはその経営者以上に価値のあるスキルをプログラマーが身につけている場合もあります。このようにしっかりと目に見えない部分を理解することによって、自分の軸を持つことも大切です。
プログラマーが未経験でも年収アップしやすい理由
プログラマーは、未経験からはじめても年収を高くしていきやすい職種のひとつといわれています。その理由について具体的に見ていきましょう。
スキルを身につけ、市場価値を高められる
プログラマーは、数多くのプロジェクトを経験し、プログラミング言語を身につけていくことで、IT業界における市場価値をどんどん高めていくことができます。
たとえば接客業などは前職までの経歴があまり市場価値に影響しませんが、プログラマーは仕事をやればやるほど市場価値に反映されるため、ただ目の前の業務にしっかり取り組んでいるだけでより魅力的な人材になっていけるのです。
ただIT業界においては技術がどんどん進歩していくため、求められるスキルの変化にも対応する必要があります。
必ずしも市場がプログラマーの価値を把握できているとは限りません。つまり、市場の需要などとは関係のないところで、まだ気づかれていない価値が生まれていることもあるということです。その価値を見い出し、追求していくのも市場価値を高めることにつながっていきます。
豊富なキャリアパス
プログラマーとしてスキルアップしていくことで、さまざまなキャリアへの道が開ける点も魅力のひとつです。プログラミングの技術を磨いていけばプロジェクトを技術的に牽引していくリードプログラマーを目指せたり、システムの設計・開発に関わるようになればシステムエンジニアとして働けるようになったりします。
マネジメント技術が身につけばプロジェクト全体を管理するプロジェクトリーダーやマネージャーなどの管理職に就くことも可能です。また、身につけたさまざまなスキルを活かしてフリーランスのプログラマー・エンジニアとして働くこともできるようになるでしょう。
最終的な目標がITエンジニアである場合にも、プログラマーとして職務経験を積むことをおすすめします。IT業界では実務の経験が重要視されるため、未経験の状態からITエンジニアを目指すのであれば、まずはプログラマーとして経験を積んでいくと後々役に立つはずです。
自分がどんなプログラマーとしてのキャリアを作っていきたいのかをある程度具体的に考えておくことが重要です。目指すところが明確に定まっている人ほど、余計な問題に悩まされることなく、やるべきことに集中することができるのです。
年収1,000万円のプログラマーを目指すには
プログラマーとして働き、年収1,000万円以上稼いでいる人は、プログラマー全体の数%といわれています。つまりプログラマーとして年収1,000万円以上稼ぐことは可能ではありますが、簡単に達成できるわけではありません。年収1,000万円のプログラマーを目指すために必要なポイントをご紹介します。
時代に即した技術を学ぶ
プログラミングをはじめとして、IT関連の技術や研究は日々進歩し、更新されています。極端にいえば、昨日までの常識が今日からは通用しなくなるようなことも起こり得るのです。その技術やスキルを使って仕事をするプログラマーも、技術の革新に合わせて新しい知識をインプットし、成長していく必要があります。
年収1,000万円を稼げるレベルのプログラマーを目指すなら、これまでの経験から得た常識にとらわれすぎず、視野を広く持って常に新しいスキルを身につけるつもりで勉強を続けていきましょう。
現状に満足することなく常に業界のトレンド最先端を追いかけるような、進化し続けるプログラマーを目指していれば収入アップも期待できます。
現代のテクノロジーの進化のスピードは早く、昨日まで当たり前だったことが、急に古いものと変わってしまうなんてことはよくあります。IT関連の情報には常にアンテナを張っておき、自分に必要な変化を柔軟に受け入れられる準備をしておくこともプログラマーの一つの役目です。
システムエンジニアが行う業務にも対応する
プログラマーの基本的な業務は、システムエンジニアが用意した仕様書に従ってコーディングをしていくというものです。これは全体の中で「下流工程」と呼ばれる業務です。一方、システムエンジニアが行う仕様書の作成をはじめとしたシステムの設計は「上流工程」と呼ばれています。
基本的に下流工程で得られる報酬は低く、上流工程に関する業務で得られる報酬は高くなる傾向にあります。つまりプログラマーの基本業務だけをこなしていたのでは、一定ライン以上の収入を得ることは難しいのです。システムエンジニアが行うような内容の業務もこなせるようになれば、それだけ収入アップを見込めます。
ここ数年のあいだにDevOpsやアジャイル開発などを導入する企業はかなり増えています。大企業だけでなく、中小企業なども新たな変化を求めていることを考えると、下流、上流に関わらず、一連の開発の流れを把握し、いかに効率性を高めていけるかを考えておけるようにすることが、これからの時代には求められています。
業務のクオリティーを高く保つ
プログラマーとして納品する物のクオリティーを高くキープすることも大切なポイントです。クライアントと信頼関係を構築していくためには、納品物のクオリティーを一定以上に保ち、クライアントの期待にしっかり応えていく必要があります。
まずは目の前の仕事に真摯に取り組み、常に品質の良い商品を提供するよう心がけることでクライアントや会社からの信頼が生まれ、キャリアアップにつながっていくのです。
「設計、ビルド、テスト、リリース、改善(リファクタリング)」など、当たり前に組織の中で取り組まれている開発の流れを、独自に個人的な業務にも取り入れてみてはどうでしょうか。組織の中で、ほんの一部の任されている業務であっても、たったひと手間を加えることで、多くの人が役立つイノベーションを起こすこともあるというのが、プログラマーの仕事でもあります。
まとめ
プログラマーの平均年収はどのくらいなのか、そして収入の差はどんなところから生まれるのかについてご紹介しました。働き方にもよりますが、プログラマーは努力次第で収入を伸ばしやすい職種のひとつです。
IT業界でキャリアアップしていきたいと考えている方、副業としてプログラミングを学びたい方はぜひ参考にしてみてください。