近年人気のプログラミングスクール。「転職や就職を視野に入れて」「将来的に独立開業を目指したいから」といった理由で、検討する方は少なくありません。
とはいえ実際には、「プログラミングスクールに通ってみたものの、失敗してしまった…」と感じるケースも多いようです。
失敗しないためには、実際の失敗談から学ぶのが一番です。
みんなの失敗談や失敗を防ぐためのコツ、スクール選びのポイントなどを、わかりやすく解説します。「プログラミングスクールについて気になっているものの、失敗が怖くて前に進めない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミングスクールの失敗談5つのケース
プログラミングスクールに通うには、多額の費用が必要になります。数十万円から場合によっては百万円程度の出費になるケースも、決して珍しくありません。もし失敗すれば、これだけの費用が無駄になってしまいます。
さらに、実はプログラミング学習は、途中で挫折する人が非常に多いことでも知られています。
いったいどのような失敗が多くみられるのか、先輩たちの体験談から学んでみましょう。
5つのケースを紹介します。
【ケース1】受講内容が理解できなかった
プログラミングスクールで学ぶ内容は、決して簡単なものではありません。「ある程度の基礎知識を身に付けた人を相手に、より専門的な知識・技能を授ける場所」と捉えてください。
プログラミングを始める際に、「全く何もわからないからこそ、スクールで学ぼう!」と考える人は多いはず。しかし多くのスクールでのレッスンは、すでに基礎を習得しているものとして進められていくのです。
基礎が習得できていなければ、スクールに通っても「何を言っているのかまったくわからない」といった状況になりがちです。自習で追いつこうとしても、「何をどう学べば良いのかさえわからない」という人も決して少なくありません。
こうして講義の内容が理解できないまま、自信を失くして挫折するケースが多く見られます。
【ケース2】モチベーションが低下してしまった
プログラミング学習は、地道にコツコツ進めていくのが基本。とはいえ、やる気を継続していくのは、決して簡単ではありません。
特にオンラインスクールの場合、講師や一緒に学ぶ仲間とのつながりが希薄になりがちです。最初はやる気に満ちあふれていても、徐々にモチベーションが低下し、最終的にドロップアウトしてしまうこともあるようです。
【ケース3】そもそもプログラミングが好きではなかった
プログラミングの需要が高まるにつれて、「なんとなく将来のためになりそう」という理由で、スクールに通い始める方もいます。
それ自体は決して悪いことではありませんが、実際に学習がスタートしてから「自分はプログラミングに向いていない」と気付くケースも多くあります。プログラミングが好きな人は、自主的にどんどん学習を進めていくでしょう。
「○○をするために△△が必要だから、××をして…」などと、自ら主体的に学んでいきます。一方で、そもそもプログラミングが好きではない場合、技術の向上のにも限界が生まれてしまいます。
【ケース4】講師との相性が合わなかった
プログラミングスクールでは、講師と生徒がマンツーマンで学ぶ形式が一般的です。講師のことを「メンター」と言いますが、常に相性が良いとは限らないでしょう。
- コミュニケーション
- 学びたい分野
- 質問しやすい雰囲気かどうか
これらの項目でメンターとの相性が合わなければ、どうしても学習効率は低下してしまいます。
【ケース5】プログラミングを学ぶ目的を見失ってしまった
プログラミングスクールにおける失敗で意外と多いのがこちらのパターンです。学習がハードだと「いったい何のために学んでいるのだろう?」という疑問が、すぐにモチベーション低下につながってしまうでしょう。
プログラミングスクールでは、最終的なゴールが設定されているケースが一般的ですが「いったい何のためにそれが必要なのか?」と感じてしまう人もいます。目的を見失った状態で、ただひたすらトライ&エラーを繰り返していくのは、苦痛以外の何物でもないでしょう。
プログラミングスクールは無駄なのか?
以上、5つのパターンのように、プログラミングスクールで失敗し挫折する方は、決して少なくありません。とはいえ、当然プログラミングスクールそのものが無駄というわけではありませんから、安心してください。
プログラミングスクールに通えば、以下のようなメリットが発生します。
- 最短ルートでプログラマーやエンジニアへの正社員就職を目指せる
- アプリ開発やサイト制作など、自分に必要な知識を体系的に身に付けられる
- 独学では難しい、確かな基礎力を身に付けられる
- 独学で学ぶよりも、モチベーションを維持しやすい
プログラミングスクールの中には、就職支援付きのコースを展開しているところもあります。プログラミングの知識や技術を学びながら、就職や転職を成功させるためのサポートも受けられるでしょう。
また、自分に必要な知識を、基礎から体系的に学べる点もメリット。独学とは違って、基礎をおろそかにせず、学ぶ分野に偏りが出にくい点も魅力と言えます。どこへ行っても通用する、確かな技術を身に付けられるでしょう。
さらに、「モチベーションを維持できるかどうか自信がない…」という方にこそ、プログラミングスクールはおすすめです。自分一人ではなく誰かと一緒に学ぶこと、またわからない点をすぐに解消できる環境を整えておくことが、プログラミング学習を成功させるコツと言えます。
プログラミングスクールについて検討し始めたタイミングでは、「万が一無駄になってしまったら…」と不安になることもあるでしょう。
学習前、自身の熱意や技量がどれほどのものなのかわからない状態で不安を抱えるのは当たり前です。だからこそ重要なのは、プログラミングスクールを無駄にしないための方法を知っておくこと。スクールに通うメリットを、最大限に享受しましょう。
受け身ではダメ!プログラミングスクールは利用するもの
プログラミングスクールで失敗しないために、もっとも重要なのは学ぶ側の意識です。
何もかもスクール任せにするのではなく、「学ぶのはあくまでも自分自身で、そのためにスクールを利用する」というスタンスを忘れないでください。具体的には、以下のような行動を心掛けましょう。
予習や復習は欠かさない
プログラミングに関する知識や技術は、「講義で1度聞いただけ」で覚えられるようなものではありません。一人前のプログラマーやエンジニアであっても、何度も繰り返し反芻しながら、新たな物事を学び続けているのです。
プログラミングスクールで授業を受ける前には、必ず予習をしておきましょう。プログラミングが人気の今、無料で学べる範囲やツールは非常に充実しています。
自分で探し活用すれば、ある程度の知識を得られるはずです。有料スクールで重点的に学ぶポイントは、「無料で公開されている情報では学べなかった点」に絞ってください。
予習や復習を欠かさず行うようにすれば、
- 自分自身が何を理解できていないのか?
- 次回、講師に対して何をどう質問すれば良いのか?
これらの点がつかみやすくなります。学習を効率良く進めていけるだけではなく、モチベーション低下の予防にも役立つでしょう。
まず自分自身で動いてみる
プログラミングスクールでは、自分自身でどれだけ動けるかが成果を決めるポイントになります。スクール任せや講師任せにするのではなく、自分にできることはどんどん自分で進めていきましょう。
わからない点があれば、まずは自分でリサーチしましょう。リサーチした結果、理解できない点があれば、プログラミングスクールの出番です。
また学んだ内容をもとに、自分で実際にシステムを触ってみるのも効果的です。もちろん、思うようにはいかないことがあって当たり前。「この問題を解決するためには、どうすればいいのか?」という視点で、より深い学びにつなげられるでしょう。
スクール側から与えられる知識や技術だけで、プログラマーやエンジニアとしてひとり立ちできるわけではありません。自分自身で動いてみることで、本当の意味で、知識や技術を自分のものにしていけるはずです。
無料カウンセリングをフル活用する
プログラミングスクールを「利用する」という意識は、スクール選びの段階から意識しましょう。つまり自分自身にとって、もっとも利用価値の高いスクールを選択するのがベストです。
各スクールの利用価値を判断するため、ぜひ無料カウンセリングを積極的に活用してみてください。無料カウンセリングで気になるポイントを明確にしておけば、入校してからの受講内容のミスマッチやメンターとの相性の悪さで悩むリスクも少なくなります。
こんな人はプログラミングスクールが無駄になる
プログラミングスクールが無駄になりやすいのは、以下のような条件に当てはまる方々です。もし思い当たる方は、解消できるかどうか検討してみてください。
解消できない場合、本当に今プログラミングスクールに通うべきかどうか、今一度考えてみるのがおすすめです。
目的がはっきりしていない人
プログラミングスクールで挫折してしまう理由で目立つのは、「何らかの原因で、モチベーションを維持できなくなった」というもの。自ら主体的に学ぶことを求められるからこそ、モチベーションの低下は由々しき問題と言えるでしょう。
では、どういったタイプの人に、モチベーションの低下が起こりやすいのでしょうか?それはズバリ、「プログラミングを学んだ先に、やりたいことがはっきりしていない人」です。
たとえば、「オリジナルアプリの開発が夢で、すでに構想が膨らんでいる」という場合、プログラミングスクールに通う目的ははっきりしています。
アプリ開発のために必要な知識や技術を、どんどん自分から学び夢の実現に近付いていくでしょう。一方で、こうした目的がない場合、講義を受けたり課題をこなしたりする意味も、なんとなくぼんやりしてしまいがちです。
具体的な目標が思い描けない場合、せめて「転職のためなのか、それとも独立のためなのか?」だけでもはっきりさせておきましょう。目的をはっきりさせることは、スクール選びで失敗しないためにも必要なポイントです。
とりあえずスクールに通えばなんとかなると思っている人
先ほどもお伝えしたとおり、プログラミングスクールとは、自ら進んで学ぶ場所です。「とりあえずお金さえ払えば、あとはスクールにお任せでOK」と考えている方は、せっかくのお金と時間が無駄になる可能性が高いでしょう。
「スクールに通っただけでは必要な知識・技術は身につかない」という基本を知っておくだけでも、失敗リスクを減らせます。
とにかく安いスクールを選びたい人
プログラミング人気が高まるにつれて、スクールの数も急激に増加しています。スクールに通うためには数十万円~百万円程度の費用が必要となるケースが一般的。
とはいえ、必要な費用は、選択するスクールによってかなり差があるというのが実情です。「費用が安いスクール=NG」というわけではありませんが、スクール選びの第一条件が「安さ」である場合、失敗する可能性が高くなります。
- 費用の安さだけにこだわった結果、学びたい内容が学べなかった
- 講義のレベルが低い
- サポート体制が充実していない
このようなトラブルにより、プログラミングスクールが無駄になってしまう可能性が高まるでしょう。
失敗しないプログラミングスクールの選び方5つのポイント
プログラミング学習で失敗しないためには、適切なプログラミングスクールを選ぶことが大切です。「具体的にどう選べば良いのかわからない…」と思う方に向け、失敗を避ける選び方のポイント5つを紹介します。
自分が希望する学習環境に合致していること
まず、もっとも重要なのは、プログラミングスクールが希望する学習環境に合致していることです。
具体的には、以下の点を確認してみてください。
- 目的に合った言語が学べること
- 受講期間や時間に対応しやすいこと
- 受講スタイルがニーズに合っていること
- 受講レベルが自分に合っていること
プログラミングスクールの種類が豊富になっている今、自身が求める条件に妥協する必要はありません。
特に受講期間や時間、スタイルについては、「がんばればなんとかなるだろう」というスクールよりも、「余裕で対応できる」スクールを選ぶのがおすすめです。
受講費用を無理なく支払えること
プログラミングスクールに通うためには、高額な費用がかかります。ここでは無理なく支払えるスクールを選んでください。プログラミングスクールでは、以下のような費用が発生します。
- 入学金
- 受講料
- 追加受講料
- 教室利用料
- システム利用料
- メンタリングの追加料金
支払方法もスクールによってさまざまで、一括払いを求められるところもあれば、分割払いに対応してくれるところもあります。発生しうる料金を最大で試算し、支払い方法にも無理がないかどうか確認しましょう。
費用面で不安が大きい場合には、無料のプログラミングスクールを利用するのもおすすめです。卒業後は指定企業へ入社すること等が求められるケースもありますが、一定の条件をクリアすると無料でプログラミングを学べます。条件に合致する場合、利用を検討してみるのも良いでしょう。
スクールの知名度や講師の評判が良いこと
質の高い教育を受けるためには、スクールの知名度や講師の評判も重要なポイント。入学前に判断するのは難しいところもありますが、SNSなどで情報を集めてみると良いでしょう。
プログラミングスクールの人気が高まっている今、「実際に通ってみた」という方の情報は決して少なくありません。リアルな口コミ情報から、自分に合ったスクールを探してみてください。
希望するサポートを受けられること
受講生向けのサポート体制は、スクールによって差が出やすいポイントです。気になるスクールをいくつかピックアップしたら、ぜひサポート体制の充実度についてもチェックしておきましょう。
- 質問の受付体制
- 受講生同士のコミュニティ構築
- 卒業後のサポート体制
これらのサポート体制が充実していれば、無理なく学びやすくなるでしょう。
就職・転職支援が受けられること
プログラミングスクールに通う目的が「就職・転職」であれば、どのような支援が行われているのかも、重要なチェック項目です。
具体的な支援内容はもちろん、ぜひ過去の実績にも注目してみてください。どのくらいの卒業生が、実際にどのような企業に就職しているのかを見れば、自身の将来も思い描きやすくなります。
これら5つのポイントを意識して、自分にぴったりのプログラミングスクールを選んでみてくださいね。
プログラミングスクールで失敗せずに学びきるコツ3つ
最後に、プログラミングスクールで必要な知識を学びきるためのコツを紹介します。意識していただきたいのは、以下の3点です。
- 実際に手を動かしてみる
- 他の受講者との交流を大切にする
- 積極的に質問して自主的な学びに繋げる
プログラミングスクールでの学習は、アウトプットを前提にしたもの。インプットしただけで満足しないよう、常に手を動かすことを意識してみてください。最初のうちは、学んだコードを写すだけでも十分です。
その過程で、「もっとここが○○だったら…」「実際にやってみると△△がわからない」といった疑問が出てきたら、そこからさらに深く学んでいきましょう。
せっかくスクールに通って学ぶのですから、高度な質問でより深い学びを実践してみてください。こうした流れを繰り返すうちに、少しずつ自分の力でコードを書けるようになっていきます。
また、どれだけ高いモチベーションと目標を持っていても、一時的に気持ちが低空飛行してしまうことは誰にでもあります。こんなときには、ぜひ他の受講生と積極的に交流してみてください。同じ目標を持つ仲間同士、刺激を与え合えるでしょう。新たな視点から学べることも多いはずです。
まとめ
プログラミングスクール選びの失敗談は、決して少なくありません。スクール選びの失敗が、そのままプログラミング学習の失敗につながるケースも多いため、ぜひ慎重に判断してみてください。
プログラミング学習は、決して簡単ではありません。しかし、スクール選びで成功すれば、そのまま前向きにプログラミングを学んでいける可能性も高まるでしょう。みんなの失敗談から学びつつ、自分にとって満足いくスクールを選んでみてくださいね。