なぜ無料?有料プログラミングスクールとの違いを比較

プログラミングを一から学んでみたいと思う方にとって、魅力的なサービスと言えば“無料プログラミングスクール”です。

「無料ならば、手軽にスタートできそう」「万が一身につかなくてもリスクゼロ」といった気持ちで、興味を抱いている方も多いのではないでしょうか?

無料プログラミングスクールで「こんなはずじゃなかった…」と思わないためには、なぜ無料なのか、どういったメリット・デメリットがあるのかを、事前に知っておく必要があるでしょう。

受講料が無料になる理由や、有料スクールとの違い、最終的にどちらの方がおすすめなのかをわかりやすく解説します。

目次

無料プログラミングスクールとは?

無料プログラミングスクールは、名前のとおり、無料でプログラミングに関する知識・技術を教えてもらえるスクールのこと。一般的に、何かを学ぼうとスクールに通おうとすれば、以下のような費用が発生します。

  • 入会金
  • 受講料
  • 教材費

普通にスクールに通おうとした場合、これらを合計して数十万円の出費になるケースも少なくありません。

無料プログラミングスクールなら、こうした費用のすべて、もしくは一部分を支払うことなく、必要な知識を学べるでしょう。ひと言で無料プログラミングスクールと言っても、どのような形態で学べるのかは、各スクールで異なります。

  • YouTubeでの無料コンテンツ公開
  • オンライン受講方式
  • 通学方式

「無料だから」と安易に飛びつくのではなく、自分にあった無料スクールを選択する必要があるでしょう。インターネットの発達と共に、プログラミングスキルを重視する企業も増えてきています。

それに伴い、「プログラミングスクールで本格的な知識・技術を学びたい」と思う方も増えているのではないでしょうか。無料プログラミングスクールは、こうした人々のニーズにあったサービスです。

なぜ無料になるの?

無料プログラミングスクールを検討する上で、まず頭に入れておきたいのが「無料で学べるのはなぜ?」という点についてです。無料になる仕組みを理解しないまま、安易に無料スクールを選択すると、以下のような事態に陥る可能性もあります。

  • 受講料が無料にならなかった
  • 違約金を請求された
  • 望んでいないのに転職することになった
  • 途中退会させられた

なぜこのような事態が発生するのか、端的に説明すると「条件に沿っていなければスクール側に利益が出ないから」です。プログラミングスクールを無料で運営できるのは、受講生がお金を支払わなくても、別の部分で利益を得られる仕組みになっているから。

多くの無料スクールは、企業と提携し、企業側からお金を受け取ることで運営しています。無料スクールで学び、一定の知識や技術を身に付けた人材を、プログラマーを求める企業へと紹介。受講生が転職すれば「紹介料」が支払われ、このお金がスクールの運営費用になっているというわけです。

無料になるまでの過程はスクールによって異なる

「無料プログラミングスクール」と言っても、スクールによってさまざまな方式があります。以下はその一例です。

  • 完全無料
  • 紹介された転職先に転職した場合のみ受講料が無料
  • スクールで学んだにもかかわらず転職できなかった場合に受講料が無料(返還)

無料プログラミングスクールを検討する際には、ぜひ「無料になる条件」についてもチェックしてみてください。少しでもわからない点があれば、事前に問い合わせするのがおすすめです。

無料スクールと有料スクールの違いを比較

次は、無料スクールと有料スクールの違いについて比較してみましょう。料金以外の3つの違いを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

学習内容

無料スクールと有料スクールの違いとして、まず知っておきたいのが学習できる内容についてです。プログラミングにはさまざまな言語がありますが、無料スクールの場合、「転職する上で有利な言語」に学習内容を絞りがちです。

これは、無料スクールにとっての“お客様”は、実は「受講生」ではなく「プログラマーを求める企業」だから。ある程度は、仕方がないと言えるでしょう。

一方で有料スクールの場合、お金を払って授業を受ける「受講生」こそがお客様です。無料スクールよりも幅広い分野で、プログラミングについて学べるでしょう。

受講条件

有料スクールの場合、受講料さえ支払えば、誰でも自由に受講できるスタイルが一般的です。また受講目的も問われません。プログラマーとして転職する以外にも、

  • これから先を生き抜く上で、一般教養としてプログラミングを学びたい
  • プログラミング技術を身に付け、ゆくゆくは独立したい

こうした目的で有料スクールに入る方も、決して少なくありません。

一方で、無料プログラミングスクールの場合、受講できる人の条件を明確に絞っているケースが一般的です。なぜなら、身に付けたプログラミング知識を使って、就職活動・転職活動を成功させてもらうことがスクールの最終的な目的だからです。このため、そもそも転職意思を持たない方は、無料プログラミングスクールの対象にはなりません。

また転職市場で需要が少ない世代も、ターゲットから外されがちです。趣味の範囲で「誰でも手軽に」というわけにはいかない点が、有料スクールとの違いと言えるでしょう。

就職・転職活動サポート

有料スクールと無料スクールの違い、最後のひとつは就職活動や転職活動に関するサポートについてです。多くの場合、無料プログラミングスクールの方が、より積極的な支援を受けられるでしょう。スクールで身に付けた知識を生かした就職・転職こそが、スクール側にとって最大の目的だからです。

ただその一方で、「希望と合致しない転職先をしつこくすすめられて辟易した」というケースもあるようです。有料スクールの場合、卒業後の進路にうるさく口を出されるような心配はないでしょう。

一方で、「もっと積極的にサポートしてもらいたかった」と感じる方もいるはずです。それぞれの特徴の違いを知った上で、自身に合ったスクールを選択するのがおすすめです。

無料プログラミングスクール3つのメリット

プログラミングをどこで学ぶか悩んだときには、ぜひ無料プログラミングスクールで学ぶメリットにも注目してみてください。3つのメリットを紹介します。

金銭的負担が少ない

無料プログラミングスクールを選択する一番のメリットと言えば、やはりコストです。現場で使えるプログラミング技術を、一から無料で学べるというのは、非常に大きな魅力と言えるでしょう。

スクール側から求められる条件さえクリアできれば、本当に無料で受講可能。生活に余裕がなく、スクールに通う費用が捻出できないような場合でも、専門知識を無理なく学べます。

プログラマーとして就職・転職できる可能性が高い

これまでお伝えしてきたとおり、無料プログラミングスクールの最終目的は、「プログラマーを求める企業に受講生を紹介し、紹介料を受け取ること」です。

つまり無料プログラミングスクールにとっては、「プログラミング知識や技術の提供」だけではなく、「受講生に就職・転職先を世話すること」も、非常に重要な任務なのです。その道のプロによる、非常に充実した就職カウンセリングを受けられるでしょう。

当然、スクールでの学習を終えたあとは、プログラマーとして就職・転職できる可能性が高まります。最初からプログラマーとして就職・転職を希望している場合には、大きなメリットになるでしょう。

必要な知識・技術だけを素早く身に付けられる

無料プログラミングスクールでは、有料スクールよりも、授業やスピーディーに進みがちです。今、多くの企業から求められている旬の知識や技術だけを、効率良く学んでいけるでしょう。

必要な知識をスピーディー身に付けられれば、その分素早く活用できます。「とにかく早く手に職を」という方にとっても、無料プログラミングスクールがおすすめです。

無料プログラミングスクール3つのデメリット

では次は、無料プログラミングスクールのデメリットについて解説します。「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、ぜひ事前にチェックしてみてください。

希望に沿った学習内容とは限らない

プログラミングにはさまざまな言語があります。わざわざプログラミングスクールに通うにあたって、「すでにお目当ての言語がある」という方もいるのではないでしょうか。

無料プログラミングスクールの場合、カリキュラムの目的はあくまでも就職・転職支援のため。求める言語について、十分な知識・技術が身に付けられる保証はありません。

学びたい方向性や将来の指針がはっきりしている場合には、無料スクールを選ぶのはデメリットの方が大きくなってしまいがちです。

違約金が発生する可能性がある

無料プログラミングスクールでも、本当に無料でプログラミングを学ぶためには、一定の条件をクリアする必要があります。

  • 意欲を持って学ぶこと
  • 最終講座までたどりつくこと
  • 紹介された就職先、転職先に入社すること

これらの条件をクリアできなければ、違約金が発生する可能性があるので注意しましょう。

転職先が限定される

手厚い就職サポート・転職サポートを受けられる無料プログラミングスクール。一見、メリットのように思えますが、実際にはデメリットにもなります。なぜなら、プログラマーの需要は年々高まっており、売り手市場の状態が続いているからです。

無料プログラミングスクールを選んだ場合、就職・転職先が制限されるケースは少なくありません。たとえば自分自身の力で魅力的な求人を見つけた場合でも、そちらを選べなくなる可能性があります。

もちろん、「違約金を支払って希望どおりの就職先に進む」という方法もありますが、違約金を支払うのであれば、そもそも無料スクールを選択するメリットは少なくなります。こうしたデメリットについても、あらかじめ頭に入れておくのがおすすめです。

無料スクールには受講条件がある

先ほどもお伝えしたとおり、有料スクールと無料スクールの大きな違いのひとつが「受講条件」です。無料スクールには、有料スクールよりも厳しい条件が設定されています。具体的には、どのような条件があるのでしょうか?

年齢

無料プログラミングスクールの多くは、20代の若年層世代をターゲットにしています。このため、30代以降になると入校は難しくなるでしょう。

スクールによっては35歳程度まで受け入れてくれるところもありますが、40代以上になるとほぼ不可能と言っても良いでしょう。これは無料スクールのターゲット世代に、転職市場における需要がそのまま反映されているからです。

就職・転職意思

無料プログラミングスクールを開講する目的は、受講生をエンジニアとして就職・転職させるためです。エンジニアという職種のニーズが高まっているからこそ、成り立つ仕組みと言えるでしょう。

無料プログラミングスクール側にとって、「知識・技術は無料で学んだものの、就職・転職はしない」というのが一番のリスクです。後々のトラブルを防ぐため、無料スクールへの通学を希望する時点で、プログラマーとしての就職・転職意思を確認されるケースが一般的です。

学習時間の確保

無料スクール側は、受講生たちに素早く必要な知識・技術を身に付けさせ、就職させたいと願っています。とはいえプログラミングとは、一朝一夕で身につくほど簡単なものではありません。

だからこそ、短期間の間にしっかりと学習時間を確保できることを、条件として設定しているスクールも少なくありません。

「仕事をしながら無料プログラミングスクールに通いたい」と思っている場合は、その条件をクリアできるかどうか、特に慎重に判断するのがおすすめです。

通学について

通学型の無料スクールの場合、スクールがある場所は決められているため、そこまで通学できるかどうかが鍵になります。

オンラインスクールであれば、当然こちらの条件は当てはまりません。「近くに通えるスクールがない」という場合には、オンラインスクールを検討してみてください。

無料プログラミングスクール3選

無料プログラミングスクール選びでどこが良いのか悩んだら、以下の情報を参考にしてみてください。ここからは評判の良い「無料プログラミングスクール」を3つ紹介します。

SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)

SAMURAI ENGINEERの無料プログラミングスクールは、専属講師のマンツーマンレッスン形式で提供されます。転職希望先に合わせて、充実したレッスンを受けられる点が最大の魅力。個々の状況に沿ったカリキュラムで、効率良く学んでいけます。

ただし受講料が無料になるのは、「転職活動をしたものの内定を得られなかった場合」のみです。就職先が決まらなかった場合に、9万9,000円の入学金と49万5,000円の受講料が返金され、無料になります。

Pro Engineer(プロエンジニア)

 Pro Engineer は、完全無料で受講できるプログラミングスクールです。たとえ途中でやめても、紹介先企業に就職しなかった場合でも、違約金は発生しません。

受講できる内容は、「Javaプログラミング」や「Linuxサーバー構築」など、非常に実践的なもの。また卒業後は、運営企業の審査をパスした優良企業に紹介してもらうことも可能です。

GEEK JOB(ギークジョブ)

有料と無料、どちらのコースも開講しているのがGEEK JOBです。「早期転職を目指すスピード転職コース」にて、無料スクールを利用できます。

事前審査をクリアする必要はあるものの、授業はオンライン形式で、通学の手間も発生しません。取引企業数が3,500社と豊富な点も、魅力のひとつです。

無料プログラミングスクールやめとけと言われる理由

インターネットで無料プログラミングスクールについて検索してみると、「やめておけ」という声も多い事実に気付くでしょう。ただでプログラミング知識を学べ、さらには手厚い就職支援まで受けられる無料スクール。

いったいなぜ、「やめておけ」と言われてしまうのでしょうか?その理由の多くは、以下の2つです。

  • むりやり就職させられる可能性があるから
  • ブラック企業を紹介されやすいから

無料プログラミングスクールは、受講生を紹介先に就職させなければお金が入ってこない仕組みです。だからこそ、「受講生の希望よりも、スクール側の事情が優先されがち」といったイメージも根強いのでしょう。

またIT業界には、ブラック企業もまだまだ多く存在しています。無料プログラミングスクールの場合、「内定辞退=違約金」といったルールを設定しているところもあり、紹介先がブラック企業であっても、断りにくいという特徴があります。

とはいえ、このような運営実態なのかは、当然スクールによって異なります。無料プログラミングスクールを選ぶ際には、過去に利用した方の口コミ情報もチェックするようにしましょう。

また「やめておけ」と言われる理由の中には、「無料=怪しい」という先入観もあるようです。自身のニーズに合ったサービスを無料で受けられるのであれば、それはまぎもなくメリットのひとつ。「なんとなく怪しい」というイメージに惑わされず、自分にとってより良い選択を心掛けてください。

結局、有料と無料どちらがおすすめ?

ここまで無料プログラミングスクールについて解説してきましたが、「結局のところ、無料と有料どちらを選ぶべきなのだろう…」と悩んでいる方もいるかもしれません。

有料と無料、どちらにもメリットとデメリットがあるもの。一概に「どちらの方が優れている」とは言えないでしょう。

ただ、就職や転職を希望せず、あくまでも「副業プログラマー」を狙うのであれば、有料スクールを選択するのがおすすめです。就職や転職、さらには受講料に関するトラブルを予防できるでしょう。

また、これから先の副業を見越して、より幅広いプログラミング知識・技術を学べるはずです。未来への投資として、本当に自分が希望する内容を学べるスクールを探してみてください。

まとめ

プログラマー需要の高まりと共に、プログラミングスクールへの注目度も年々上がってきています。

「必要な知識・技術を身に付け、就職や転職に活かしたい!」と願う20代男女にとって、無料プログラミングスクールを選ぶメリットは、非常に大きいと言えるでしょう。

一方で、無料プログラミングスクールにもデメリットはあります。より自由に、幅広いジャンルで学びたいと思うのであれば、費用はかかっても有料スクールを選択するのがおすすめです。

今回紹介した内容も参考にしながら、ぜひ自身の目的や状況に合ったプログラミングスクールを選択してみてくださいね。

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この記事の監修者

ユーザーに本当に価値ある情報を届けるplusbox式メディア構築。
「プログラミング副業の教科書」では机上の空論ではなく、プログラミング業界の専門家へのインタビュー、監修をして頂きながら、今からプログラミングで副業をはじめるユーザーのための情報を提供していきます。

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